mitosayaでは、星のや竹富島とともに、竹富島で採れた薬草「命草(ぬちぐさ)(薬草)を使用した蒸留酒「KUNUSHINA」を制作しました。
このKUNUSHINAが生まれるまでのストーリーを紹介します。
2024年3月、私たちは星のや竹富島の招きにより、はじめて竹富島を訪れました。石垣島からは船でわずか10分、サンゴ礁が育んだこの小さな島に赤いデイゴの花が咲き誇り、私たちを迎えてくれました。
島の全周は約9.2km。徒歩でも1時間ほどで一周できてしまうような小さな島で
長年薬草栽培に取り組んできたおじいや、かつて子どもの頃、島に跡地が残る共同蒸留所で蒸留酒を造っていたという方とも出会いました。
島の歴史や文化を語る彼らの言葉に耳を傾けながら、島のあらゆる場所で見つけた薬草に触れ、香りや味を確かめていきます。
目にしたのは、驚くほど大きく育った植物や見たことのないフルーツたち。ちょっとした茂みにも発見があり、島全体に広がる自然はまるで宝物のようでした。ボタンボウフウや、石垣と生け垣を彩るピーヤシ(島こしょう)の赤い実。
さらに星のや竹富島の敷地では「命草」(ぬちぐさ)と呼ばれる伝統薬草が大切に栽培されており、島の人々が自然と共に生きてきた歴史を感じました。
旅の後、竹富島から数々の薬草が届きました。
長命草(ボタンボウフウ)
月桃
フーチバー(ニシヨモギ)
ハママーチ(リュウキュウヨモギ)
グアバ
クミスクチン
ヒハツモドキ
力強い香りとともに立ち上がる、島の人たちの温かさ、魅力的な話、そして自然の美しさが、私たちに新しい蒸留酒のアイデアを与えてくれました。
薬草を蒸留酒に
読谷村産のタンカンと波照間島産の黒糖をベースに、竹富島の薬草を組み合わせて、新しいお酒づくりが始まります。甘酸っぱい液体に薬草の成分を抽出しながらアルコール発酵を行い、その後、丁寧に蒸留を重ねました。
こうして生まれた透明な液体は、口に含むと薬草たちが奏でる深い芳香が広がります。
「KUNUSHINA」
完成したこの蒸留酒は「KUNUSHINA」と名付けられました。島で伝統的に栽培されてきた、9種類の命草「九品薬(クヌシナヒスル)」から着想しました。竹富島の自然、島民の知恵、そしてmitosayaの技術が一体となったこのお酒は、竹富島を象徴する特別な一本です。
沖縄在住の画家、齋悠記氏によるラベルアートがボトルを彩り、竹富島の魅力を詰め込んだ一本が完成しました。
星のや竹富島のディナーコース「島テロワール」にて、この「KUNUSHINA」をお楽しみいただけます。島の食文化とフレンチを掛け合わせた「島テロワール」が、今年は蒸留酒とともに更なる深化を遂げました。mitosayaでの販売は行いませんので、ぜひ竹富島を訪れ、島の自然と共にその一杯を味わっていただければ幸いです。
■星のや竹富島
所在地:〒907-1101 沖縄県八重山郡竹富町竹富1955
電話:050-3134-8091(星のや総合予約)
URL:https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/hoshinoyataketomijima/
参考:「沖縄八重山発 南の島のハーブ」嵩西 洋子(南山舎)