mitosaya薬草園蒸留所

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10月
今日の買う物

October 2018

買い物は嫌いな方ではないと思うが、ずっと買い続けていると、ついつい余計に頼んでしまったピッツァが眼の前で冷えていくのを見守っているような虚しさを感じることがある。

というのも、お酒を作るためには酒造免許が必要で、酒造免許というものは全てが整った状態ではじめて税務署に現地調査に来る。逆にいうと免許がない状態では何も作ることができない。そのあたりのことは改めて書いてみたいと思っているが、とりあえずはスタートして、間違っていたら修正する、足りなかったら増やしていく、ピボットなんていって何なら業種も変えてしまう、という今どきの事業の考え方とは完全に真逆だ。

もちろん蒸留所に必要な蒸留器やタンクなどは問題ない。こたえるのは今必要かどうかわからないものもとりあえずは揃えないといけないこと。出ていくのは唯一お金で、これがじわじわと効いてくる。稼いだらその分使うという世の中の経済活動といわれているものに、自分が乗れていないことの疎外感のようなものに体が侵食される。

その負の気持ちを埋めるために、請負の仕事をしてみたりもする。他人に求められることで、感情の出入のバランスを取ろうという作戦で、やっている間は効果はあるが、抜本的な解決にはならない。

結局買わないといけないのだから、問題は買うことでしか解決しない。どうせ買うのなら自分が欲しいと思えるものを納得できる価格で買いたい。

しかし、例えば手洗い用シンクに欲しいか欲しくないかの判断根拠も、いくらだったら納得がいくのかというコスト感覚が自分の中にあるのだろうか。おおげさにいえば、手洗い槽に対しての確固たる信念をお前は持っているのか」 と問いかけられることになる。持ってない)

しかし、ここでテキトウにサイズと価格だけで選んだりすると、このテキトウに選んだ、という感情が後々まで残って見るたびに思い出すことになる。こうして毎晩、カタログと本や雑誌とネットをひっくり返して、ああだこうだと悩むのだ。

まず、全体として考えたのは、〇〇風みたいなことはやめようということ。決めてしまえば簡単ではあるけれど、それが制約になることもある。Philipp Mainzerが手がけたスティーレミューレのストイックなまでの無垢&インダストリアル路線と、mitosayaの改修を行った中山英之建築設計事務所のユーモアと軽さのある洒落っ気。そういったものはベースにしつつも、ここに置くなら何がいちばんふさわしいかということをフラットに考える。というのが基本姿勢。

そうして買ったものを挙げてみよう。書くことで少なくともなにかに役に立ってるように思えるなら虚しさも愛しさに変わるかもしれない。

・手洗い槽

Utilitiy sink Franke BS302

保健所のルールで、製造所の出入口には手洗い槽につけなければならない。入口が複数あるときは原則それぞれにつけるということだが、入って出るという1方向の工程を説明して免除してもらい、原料入口と蒸留室に2つつけることにした。

Utilitiy sink Franke WB500GV

本当に手洗いということにするなら陶器の丸型のヤツにすればいい。小さな飲食店のカウンターの脇に唐突にあるあれです)が、それでは手すら洗えない。入口から持ち込んだちょっとした道具を洗うこともあるだろうと、Utilitiy sinkといわれるものから探す。シンクを支える壁付けのブラケットが鋭角な三角形でカッコいい、という理由でスイスのシンクメーカー、Frankeのものにする。結果脚元が広い。バケツを洗うための可動式のワイヤーも使うかどうかわからないがいい感じだ。

・スツール

蒸留器の前にいる時間は結構長くて、一回動かすと一時間半~二時間くらいかかって、それを1日4,5セット行う。基本的には蒸留器の前にいるものの、その間ずっと立っているわけではない。記帳したり計測をしている時間も、たまに読書なんてことも結構ある。そこで水に強い素材で、自由に動かせるキャスターのついたスツールを探している。

タカラベルモント D Stool Alumi

そんな話を髪を切ってもらいながらしていたら、美容師の彼が座っているスツールがまさにその用途にうってつけ。アルミ製でキャスター付き、おまけにスムーズな上下動も可能。譲って欲しいとお願いしたものの当たり前だが断られてしまった。

聞けば美容用品メーカーが美容室向けに販売している「Dスツール」なるものらしい。しかし、現行品は脚の形状が変わり丈夫だが不細工だ。そこで、美容師商材の中古マーケットプレイスサイトに登録したのち、Dスツール」ではてなアンテナに登録。2ヶ月ほど待って商品が出てきたので購入。

・ホースとホースラック

Forever Steel Hose 25’ / 50’
[Yard Butler] Lewis Swivel Reel Wall Mount

酒づくりの半分は清掃だなんてことをよく言われる。確かに何かといえば水洗い。ホースを引っ張り出して水で流す。そこでホースとホースラック。あとはノズル。手元で流量が調整できて、絞ったときはブラシ代わりになるくらいの強さがあるといい。

Wall mount hose holder made of die-cast aluminium

最初は工場用のものも探してみたのだけど、mitosayaくらいの規模にはオーバースペックでちょうどいいのがない。そこで目をつけたのが外国のガーデン用品。アメリカのテレビ通販で大人気、芝刈り機で踏んでも大丈夫というステンレス製のホースを見つけた。同じくガーデン用品で壁付けの回転式ホースラック。ノズルはコンパクトで丈夫な銅製のものが見つかった。

蒸留室で使うホースは短いのでホースラックは引っ掛ける程度でよい。COEDOの元工場からもらってきたドイツ製のホースラックが使い勝手も見た目もよく、これと同じものをひたすら探す。manufactumでほぼ同じものを発見した。

・浄水器

仕込みや希釈に使う水の問題は当初からの悩みで、井戸を掘ることや、近くの井戸水を使わせてもらうことも最初は考えた。しかし井戸掘りの見積もりが思ったよりも高く、近所の井戸水を採水させてもらい、水質検査に出したところ、悪くはないがものすごくいいわけではない、という微妙な結果が出た。また、食品に井戸水を使う場合は滅菌器という、平たくいうと塩素注入器を使用する必要がある。それであれば、上水(水道水)を浄水するのでもいいのかもしれないとまずは浄水器を導入することにした。

またも工場用はオーバースペック、家庭用じゃちょっと頼りない、という間で逡巡していたところ、中山さんと立ち寄ったコーヒースタンドで、これ見よがしにカウンター裏でディスプレイのように浄水システムが設置してあるのをみて、Everpureの浄水器に興味を持った。

Everpure QL3-ESO7(カートリッジ)
QL3 Single Head(フィルターヘッド)

調べてみると、アメリカ製の浄水機メーカーで、欲しい水質や使用量に応じて多くの製品がラインナップされている。交換はタイミングが来れば金属製のカートリッジごと交換するので、機能的でかつ衛生的でもある。あとは何より見た目がいい。こればっかり)

カートリッジはブロックカーボンの浄水に加えて、イオン交換樹脂によりカルシウムやマグネシウムをナトリウムに置き換えて軟水化する機能もついているという QL3-ESO7を選択。こうして使いたい水に合わせてカートリッジを選択できるのも面白い。水の見える化だ。

設置は壁付けのマウントをつけて水道とフレキホースで繋げばできそうなのでDIYでチャレンジ。見た目はコーヒースタンドには遠く及ばないが、機能的には満足できるものができた。

この調子で一つ一つにずっと続きますが、今回はこれくらいで。

こうして納得していかないと進めないのが自分でも面倒だなと思うけれど、こればかりは仕方がない。それもこれも酒造免許がなかなか取れないせいで…(最初に戻る