mitosaya薬草園蒸留所

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11月
この植物がすごい 2018

November 2018

今さら書くことでもないけれど、蒸留家12ヶ月」というタイトルは、チェコの作家、カレル・チャペックの「園芸家12ヶ月」から採ったものだ。90年前に書かれた、園芸好きおじさんによる日記のようなこのエッセイ集を読むと、時代や場所が変わっても人間が自然相手に行っていることはたいして変わってないことがよくわかる(ちなみに11月は、畑の土を掘り返して細かく砕き、パンのようになるまでやわらかくする月だ

聞き慣れない植物を文字から想像しながら読むのも楽しいが、実際に新しい植物に日々出会えるのがこの場所に暮らし、仕事をする喜びだ。

今年僕が知った植物や果樹をあげてみたいと思う。珍しいとか香りがいいとかという話ではなく、記憶に残っているという理由だけで選ぶ「この植物がすごい 2018年版」です。

10位】胡椒

恥ずかしながら今まで胡椒は瓶に入った香辛料で、植物という認識はなかった。しかし、バンコクの路上のマーケットには胡椒の木が売られていた。実を一つ取って食べてみたら今まで食べてきた胡椒とは何だったんだろうかと思うくらいの鮮烈さ。刺激が強いというよりは、フレッシュで青っぽくて爽やかだ。苗を輸入してもらったが果たして日本でうまく育つだろうか。

9位】マヌカ

魚柳梅よりもマヌカ。グアバよりもバンジロウ。タコノキよりもパンダンリーフ、カブスよりもビターオレンジ。同じ品種でも呼び方を変えるだけで印象は変わる。

8位】毒空木

ベリーのような濃い赤い実を一粒食べたら美味しかったので、シロップにしようとかご一杯分を収穫した。煮詰まって真っ赤になった鍋はまるで童話に出てくる毒のようだ。毒?」と、ふと思って調べてみたら猛毒の「毒空木ドクウツギ。主成分のひとつであるコリアミルチンの致死量は体重1kgあたり、たったの0.1mg。その頃には喉が締め付けられるようで息苦しい。このまま眠ってしまうのも心配なので深夜一人で緊急病院に行き医者に呆れられた。

7位】渋柿判定機

柿の渋さの理由は柿に含まれる水溶性のタンニンで、熟すとタンニンは不溶性に変わり舌が渋味を感じなくなる。柿農家の金綱さんの作業所にあった渋柿判定機。仕組みは単純で、円形の穴が空いた部分に柿を押し付けると下から光があたる。水溶性のタンニンは光を通さないから、柿が光れば渋柿、光を通さない部分が多ければ甘柿というわけだ。

6位】ピラカンサ

車で通る道の街路樹に真っ赤な実がついた木が並んでいる。どうして鳥が食べたりしないんだろうか。調べるとピラカンサという木の実で、毒があるので鳥も食べないという。しかし鳥が食べなければ種が広がっていかない。これにも仕組みがあって、冬になり、他の果樹が落ちた頃に毒がなくなり鳥が食べられるようになるらしい。そろそろ食べ頃か。鳥と僕が狙っている。

5位】ヨーロッパハイマツ

ドイツのManufactumのカタログに「ヨーロッパハイマツの木と針」なるものがあり、気になったので輸入してみたら、単なるおがくずと針の葉が届いた。エッセンシャルオイルを垂らして香りを付けたり、お香のように火をつけたりするらしい。10ユーロのおがくず。

4位】レモン香ハーブ

気づけばレモンの香りのするハーブがそこここにある。レモンバーベナ、レモンマートル、レモングラス、レモンバーム…、この辺はまだいい。しかし、レモンバジル、レモンゼラニウム、レモンミントともなると、レモンなのかバジルなのか、ゼラニウムなのかレモンなのか、どっちの香りにアイデンティティがあるのかもはやわからない。レモン系ハーブだけで作るレモンサワーをCASICAでは考案してみた。

3位】ジャボチカバ

沖縄から20年ものの木を空輸したから見に来て、と隆太郎から声をかけられ見に行くと、背丈を超える大ぶりの木の幹の途中に脈略なくビッシリと巨峰サイズの紫色の実がついていて…鳥肌が立った。ジャボチカバという名前も妙だ。後から「ブラジリアン・グレープ」という別名を知ったがもう印象は変えられない。ちなみに実はとてもおいしく、凍らせるとまさにアイスの実だ。

2位】バンコクの薬草薬局

カウンターで薬草を調合する、バンコクの薬局。何の効用で何を使っているのか聞きたかったが、鋭い眼光に阻まれる。

1位】オミナエシ

夏頃にそこここで咲いていたオミナエシの花。香ばしいようななんとも形容しがたい独特の匂いがして、本で調べてみると「しょうゆの腐った匂い」がすると。しょうゆが腐るなんて聞いたことないけれど、そう言われるとそうとしか思えない言葉の不思議。ミツバチにも大人気でした。