mitosaya薬草園蒸留所

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12月
ぼくもおじさん

December 2018

製造免許が出たので、いよいよ仕込みができる。正直言うと免許を取ることを目標にしてきた部分もあり、さあ作っていいと言われて何から手を付たらいいかわからなくなってしまった。

とりあえず始めたのは、またも書類関係。終わったと思ったらまだまだある。

まずはタンクの容量を計り検定する。製造予定品目のリストを提出する。帳簿を用意する。この帳簿なるものをがやっかいで、原料がどこから入ってきて、その容器に入れて発酵したらどれくらいのアルコールができて、蒸留したらどれくらいのアルコールがどれくらいできて、熟成はどの容器に入れて…。と、作る原料が製品になるまでの工程ごとに、容量とアルコール分、そしてそれを入れる容器を記帳していかなくてはならない。

不思議なのは、それを記入するための書式は特に決まっていないということ。 税務署の担当者に聞いても、昔からの酒造メーカーも多く、指定するのが難しいから特にフォーマットはないのだと言う。

こちらは全くわからないのだから、項目や書式を決めてもらった方がまだ手がかりになるのだけど、ないものはない。広大なインターネットにすら、酒類製造用の帳簿書式というものはなく、どうも皆さん独立先などから引き継いだものでやっているようだ。

途方にくれていると、税務署の担当官が、 他社のものをいくつか用意してみますと助け舟を出してくれる。今まではチェックする・されるの関係だったけれど、これからはなんとか一本立ちさせる(税金を払ってもらう)ためのサポーターでもある。ありがたい。

一方で行っているのはくだものの仕入で、こちらは楽しい。秋の収穫シーズンは逃してしまっているので、生産者のおじさんたち慌てて連絡をする。彼らと話す楽しみは、皆さん創意工夫しながら自分の好きなものを作っているところ。好きといってもただ好きということではなく、土地の特性を活かした作物だったり、こういうのが売れるんじゃないかという商売的な目線だったり、総合的に考えて作るものが決まっている。話しているといろいろと刺激を受ける。

◉レモンの古泉さん

鴨川の山間でレモンとみかんを栽培している古泉さん。ご夫婦でやっていて、家の前には立派なナツメの木がある。

お椀型の斜面は、日は当たるが風は遮られるという理想的な立地。レモンやブラッドオレンジ、みかんなど柑橘類を育てている。

減農薬で育つレモンは皮がゴツゴツしていて、見るからにいい香りだ。

いくらで買うの?」

って希望価格をこちらに言わせる、価格交渉がなによりも楽しいという食えないおじさん。

最近のレモンサワーブームで、国産のレモンの需要が増えているそうだ。この間も某酒造メーカーから数トン単位で注文があったと困ったような顔で自慢された。そんな引く手あまたのレモンだけど、いくらで欲しい?」って言われてもなかなか困る。

◉柿の金綱さん

mitosayaの隣、いすみで10種類以上の柿を生産している金綱さん。何度か登場してもらっているが、元々は役場に休耕農地を借りたりできるものかと聞きにいったら紹介されたのが金綱さんで、農地を貸してくれるのかと思いきや、なぜか柿の売り込みをされた。

家の隣りにある柿畑ではすだちなどの柑橘も作り、田んぼでは米も作っている。庭ではブルーベリーやキウイ。山間にもある柿畑は何人かで共同で運用していて、年に一度、柿の収穫イベントも行っているそうだ。そういえば冬の間はハウスでストックの花の栽培も行っているという。忙しおじさん。

出荷基準に満たないサイズのものや、小さなキズのあるものなどを分けてもらって、柿のブランデーを作ってみたいと思っている。柿の香りといってもパッとは思い浮かばないけれど、かすかな香りを蒸留によって凝縮することができるんじゃないかという期待をしている。

◉みかんの房総十字園

mitosayaから内房の方に抜けていく市原市の山道の途中に房総十字園はある 。道沿いにまばらにあるのは倉庫や工場くらいで、正直こんなところに、という場所に突然現れる農園。

みかん狩りができるためバスや車での来場者が絶えない。聞けば市原市で唯一のみかん農家のため、当初は扱ってくれるところも少なく、出荷しても知名度もないため人気がなかった。そこで考えたのが農園に来てもらうこと。平たい土地に下草もしっかり整備されたみかん畑で、千葉エコ農産物認証の温州みかんを好きな木から自由に取って食べられる。それだけでなく、ジュースやジャムなどの加工品の販売や試食。さらにお米も作ってあられやお惣菜などにも作る。農園の隅にはポニーと犬がいて迎えてくれる。周りに何もなくてもここに来れば半日は楽しめるというわけだ。

しかし、平地で収穫がしやすいのは観光用のみかん畑だけ。その先にある斜面こそがみかん栽培の本番。今年は夏が暑くて雨も多かったために、旬のタイミングが短く、急いで採らなくてならない、ということでmitosayaチームも招集してもらった。

採るのは日南という品種で実も大きく、皮もしっかりしていていかにもみかん、という風体。

木に実を残すと、そこから病気が発生することがあるというので、大きいものも小さいものも、木の上で傷んでしまっているものもとにかく全部採る。へたの近くをハサミで切ると簡単に採れるが、木の下に入るため腰をかがめ、上になった実をとるために背伸びをして、とたわわに実ったみかんを、斜面でいろいろなポーズで採るのはけっこうハードだ。しかし苦労の甲斐あって半日で収穫完了。オレンジ色の山が真緑になった。しかし彼らはこのあと、お正月用に販売するためのもちをつくというのだから恐れ入る。

◉ハーブの苗目

そして忘れてはいけない生産者、鴨川の苗目。mitosaya江口も参加する、無農薬でハーブやエディブルフラワーの栽培と、里山で自然物の採取を行う農業法人だ。温室に春に植えたハーブ類もすっかり大きくなった。今日はシーズンの終わりに、ということでレモンバジル、ワームウッド、ベトナムコリアンダー、モロッコミント、パープルセージなどのハーブ類をばっさり伐採。こうしておけばまた来年、一回り大きくなって生えてくるのだという。

ハーブは収穫した瞬間が一番香りが強い。その場でバンに積み込み、持ち帰って加工ができるのも便利だ。

ここまできたらmitosayaの薬草たちの冬支度をしてくれている中村さんと鈴木さんも紹介したいところだけど、収穫物の多い季節の変わった頃に。